レセプトの返戻事由はどこを見て、どう調べるか

公開日 MINORAS 医療実務チーム
レセプトの返戻事由はどこを見て、どう調べるか

返戻の理由が書かれたコードを調べようとして、一覧が見つからずに困っていませんか。

探し方を変えたほうが早く終わります。 どこを見れば医科向けの事由コードが分かるのかは、はっきりしません。検索で出てくるものの多くは介護保険や薬局を対象にしたものです。返戻の事由は、返戻内訳書そのものに表示されます。 そこを読んでも判断がつかないときは、提出先の審査支払機関に確かめるのが最短です。

  • 事由(返戻の理由)は、返戻内訳書に表示されます
  • 公開されている一覧は、介護保険や薬局を対象にしたものが多くあります
  • 判断がつかないときの確認先は、そのレセプトの提出先です

本記事は2026年8月28日時点の告示・通知・疑義解釈に基づいています。

一覧を探しても、決定版にたどり着きにくい

「返戻事由コード 一覧」で検索すると、いくつも資料が出てきますが、開いてみると対象が違うということが少なくありません。

2026年8月時点で上位に並ぶものを実際に確かめたところ、国民健康保険団体連合会が公開している事由コードの解説は、介護保険を対象としたページに置かれているものが目立ち、民間企業がまとめた一覧は薬局向けで内容も6年前の版でしたので、医科のレセプトを扱っている人が、そのまま当てはめられるものではありませんでした。

⚠️ 医科向けの一覧が公開されていない、という意味ではありません。 どこにまとまっているのかが分かりづらい、というのが正確なところです。

ひとつの一覧に収まらない理由

レセプトの提出先は加入している保険によって分かれ、社会保険は社会保険診療報酬支払基金へ、国民健康保険は各都道府県の国民健康保険団体連合会へ提出しますが、その国民健康保険団体連合会は、都道府県ごとに置かれています。

この違いは、実際の運用にも出ています。返戻の帳票を受け取る形式ひとつをとっても、支払基金はPDF形式で配信していますが、大阪府国民健康保険団体連合会の案内では「これらは『CSVファイル』形式で配信されます」と記載されています。保存される期間も同じではなく、愛知県国民健康保険団体連合会では返戻ファイルが3か月とされています。

同じ「返戻」でも、受け取り方と扱いが提出先で違う。 だからひとつの一覧に収まりにくく、収まっているように見える一覧ほど、対象を確かめる必要があります。

事由は、返戻内訳書に書いてある

遠回りに見えても、いちばん確実なのは帳票そのものを読むことです。

支払基金の増減点連絡書・各種通知書の見方では、返戻内訳書は「点検・審査等の結果、内容確認のため、医療機関等へお返しするレセプトの内訳や事由等を表示しています」とされています。点数に異動があった場合の増減点連絡書についても、「点数等に異動が生じた場合にお知らせする増減点数(金額)や事由等を表示しています」と説明されています。

どちらもオンライン請求システムから取り出す形で、ログインして「各種帳票等」から「増減点連絡書等」を選ぶと対象の帳票をダウンロードでき、支払基金の場合は毎月5日頃に配信されて、当月と過去11か月分が取得できます。

帳票を読んでも分からないときの手順

帳票を読んでも判断がつかない事由は出てきますが、そのときに一覧を探し直すよりも、次の順で進めるほうが早く終わります。

  1. 同じ事由の返戻が、ほかの患者でも出ていないかを並べて見る(1件では分からないことが、複数並べると見えてきます)
  2. レセプトコンピュータの側に、その事由の説明が用意されていないかを確認する
  3. それでも判断がつかないときは、そのレセプトの提出先に確認する

3つ目を後回しにしないことをおすすめします。提出先は、その返戻を実際に出した側ですので、一覧を探して推測を重ねるよりも、確認したほうが正確で、結果的に早く済みます。

よくある質問

Q. 事由コードは、社会保険と国民健康保険で同じですか。

⚠️ 本記事では、両者で共通かどうかを確認できていません。 受け取る帳票の形式や保存期間には違いがあることが確認できています。提出先ごとの案内をご確認ください。

Q. 返戻の理由と、査定の理由は違うものですか。

返戻は内容確認のためにレセプトを返す処理、査定は点数に異動が生じる処理で、知らされる帳票も返戻内訳書と増減点連絡書に分かれています。それぞれ別の話として扱ってください。

Q. 古い返戻の事由を確認したいときはどうしますか。

支払基金の場合は当月と過去11か月分が取得できます。国民健康保険団体連合会は連合会によって保存期間が異なるため、加入されている連合会の案内をご確認ください。


本記事は2026年8月28日時点の告示・通知・疑義解釈に基づいています。

記載の内容は一般的な情報提供です。個別の医療機関における算定の可否は、届出の状況・患者の状態・院内の運用によって異なります。実際の請求にあたっては、必ず一次資料および管轄の審査支払機関の取扱いをご確認ください。

執筆・運営:MINORAS株式会社 今井 稔


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MINORAS 医療実務チーム

在宅医療・訪問診療クリニックのレセプト業務を担当するチームです。算定、返戻・査定対応、月次点検の実務に携わりながら、院内で判断に迷いやすい場面を記事として整理しています。制度に関する記載は一次情報を確認し、医療実務責任者の確認を経て公開しています。