
訪問診療でマイナ保険証を使うとき、初回訪問と2回目以降で同じ操作を繰り返せばよいのか迷っていないでしょうか。
結論からいうと、訪問診療のオンライン資格確認は、初回に本人確認・資格確認・必要な同意を行い、その後は継続的な診療関係の中で再照会機能を使って資格情報を確認する流れで整理できます。
- 初回は、マイナ在宅受付Webまたはマイナ資格確認アプリ等で本人確認と資格確認を行う
- 2回目以降は、継続的な関係のもとで再照会機能を活用できる
- 資格情報に変更やエラーがある場合は、請求前に最新情報へ戻って確認する
本記事の情報基準日は本記事の公開日です。
初回訪問では本人確認と資格確認を行う
訪問先でもオンライン資格確認ができる
厚生労働省は、訪問診療等において、モバイル端末等によるオンライン資格確認を利用できる仕組みを案内しています。
初回訪問では、患者のマイナ保険証を使い、本人確認と資格確認を行います。診療情報・薬剤情報・特定健診情報等を利用する場合は、提供についての同意も確認します。
マイナ在宅受付Webとマイナ資格確認アプリがある
厚生労働省のQ&Aでは、訪問診療等で利用できる仕組みとして、マイナ在宅受付Webとマイナ資格確認アプリ(居宅同意取得型)が案内されています。
マイナ在宅受付Webは、医療機関ごとの専用Webページへアクセスして利用し、本人認証にはマイナンバーカードの暗証番号を使います。
マイナ資格確認アプリは、事前に特定の医療機関の端末として設定したモバイル端末で利用し、暗証番号に加えて目視確認による本人確認も可能です。
院内では、どちらを使うかだけでなく、患者宅で誰が操作を案内し、確認結果をどこへ反映するかまで決めます。
2回目以降は再照会で資格情報を確認する
継続的な診療関係の中で再照会を使う
厚生労働省の案内では、2回目以降の訪問について、当該医療機関との継続的な関係のもとで訪問診療等が行われている間、医療機関は再照会機能を活用して資格確認を行う流れが示されています。
初回時の患者の同意に基づき、薬剤情報等を取得できる仕組みも案内されています。
毎回「初回と同じ操作をする」と覚えるのではなく、初回確認と、その後の再照会を分けて院内フローにすると整理しやすくなります。
再照会の結果を請求担当へつなぐ
資格確認の結果が電子カルテやレセコンへ反映されても、請求担当が変更に気づかなければ意味がありません。
- 資格が変わった患者
- 「資格(無効)」「資格情報なし」等が表示された患者
- 資格確認書等で確認した患者
を、誰が請求担当へ知らせるかを決めます。
厚生労働省のQ&Aには、「資格(無効)」「資格情報なし」等が表示された場合の確認方法も掲載されています。
2026年時点の資格確認方法を確認する
従来の健康保険証は有効期限を終えている
厚生労働省によると、従来の健康保険証は2025年12月1日で有効期限を終了しています。期限切れに気づかず従来の保険証を持参した場合の暫定的な取扱いも、2026年7月31日で終了しています。
2026年9月時点では、マイナ保険証を持つ患者はマイナ保険証、持たない患者は資格確認書等で資格を確認する運用が基本です。
スマートフォンのマイナ保険証にも対応が広がっている
厚生労働省は2026年3月、訪問診療等で利用するマイナ資格確認アプリについて、スマートフォンのマイナ保険証を読み取れる機能の追加を周知しています。
厚生労働省「マイナ資格確認アプリにおけるスマートフォンのマイナ保険証の読み取り機能の追加について」
院で使用する端末やアプリの更新状況も、資格確認の運用手順に含めます。
すでにオンライン資格確認を導入している院も設定を確認する
訪問診療等機能を利用する設定がある
厚生労働省のQ&Aでは、すでにオンライン資格確認の本体システムを導入している医療機関について、資格確認端末の環境設定情報更新画面で「訪問診療等機能」を利用する設定に変更することで、機能を追加できると案内しています。
導入資料や業務フローは、厚生労働省の医療機関向けページにまとめられています。
システムが導入済みでも、訪問診療で使える状態かどうかは別に確認します。
院内では4つの役割を決める
患者宅から請求までをつなぐ
資格確認を請求へつなげるため、少なくとも次を決めます。
- 患者宅で本人確認・資格確認を案内する人
- 資格変更やエラーを院内へ戻す人
- 電子カルテ・レセコン等へ反映する人
- レセプト作成前に最新資格を確認する人
MINORASでは、資格情報の確認も「誰が見つけ、誰が反映し、誰が請求前に確認するか」という業務フローで整理する考え方を重視しています。
よくある質問
Q. 訪問診療では毎回マイナンバーカードを読み取る必要がありますか
2回目以降の訪問では、継続的な関係のもとで再照会機能を活用した資格確認が案内されています。初回と2回目以降を分けて院内手順を作ると整理しやすくなります。
Q. マイナ在宅受付Webとマイナ資格確認アプリのどちらを使えばよいですか
どちらも訪問診療等で使える仕組みですが、本人確認方法や端末の準備が異なります。自院の端末、訪問時の運用、目視確認を使う必要性などを踏まえて決めます。
Q. 資格情報が無効と表示された場合はどうすればよいですか
そのまま推測で請求せず、厚生労働省のオンライン資格確認Q&Aに沿って、患者の資格情報や代替の資格確認方法を確認します。
Q. 資格確認の結果は誰がレセプトへ反映しますか
制度上の画面操作だけでなく、院内の役割分担が必要です。資格変更を見つける人、レセコン等へ反映する人、請求前に確認する人を決めます。
本記事は公開時点の情報です。
記載の内容は一般的な情報提供です。個別の医療機関における算定の可否は、届出の状況・患者の状態・院内の運用によって異なります。実際の請求にあたっては、必ず一次資料および管轄の審査支払機関の取扱いをご確認ください。
執筆・運営:MINORAS株式会社 今井 稔
訪問診療のオンライン資格確認を、患者宅での操作からレセプト反映まで院内フローとして整理したい場合は、MINORASへお問い合わせください。
在宅医療・訪問診療クリニックのレセプト業務を担当するチームです。算定、返戻・査定対応、月次点検の実務に携わりながら、院内で判断に迷いやすい場面を記事として整理しています。制度に関する記載は一次情報を確認し、医療実務責任者の確認を経て公開しています。


