
レセプト点検で、「この診療行為は摘要欄への記載が必要なのか」「コメントコードはどこで調べるのか」と迷っていませんか?
結論からいうと、コメントコードを探す前に、まず今回の請求で摘要欄への記載が必要かを確認します。条件付きなら該当性を確認し、コード指定がある場合だけコメントマスターへ進みます。
- すべての診療行為に摘要欄の記載が必要なわけではない
- 括弧書きの記載事項は、その条件に該当する場合に記載する
- 記載が必要でコード指定がある場合に、最新マスターでコードを照合する
本記事の情報基準日は2026年9月28日です。
摘要欄は、すべての診療行為に記載するものではない
厚生労働省の記載要領では、名称・回数・点数以外に摘要欄へ記載する事項等を別表で定めています。
一次資料:厚生労働省「診療報酬請求書等の記載要領等について」
まず「記載事項があるか」を確認する
今回算定する診療行為・薬剤・材料等について、現行の別表に摘要欄の「記載事項」が定められているかを確認します。
該当する記載事項がなければ、その項目について定型的なコメントコードを探す工程には進みません。
括弧書きは、その条件に該当した場合だけ確認する
別表の注記では、「記載事項」欄の括弧書きは該当する場合に記載する事項とされています。
条件付きの記載事項が並んでいても、毎回すべてを入力するのではなく、今回の請求がその条件に該当するかを先に確認します。
摘要欄の確認は4つに分ける
状態 | 次にすること |
|---|---|
記載事項がない | 定型コメントの検索には進まない |
条件付きだが、今回は条件に該当しない | その条件の記載には進まない |
記載が必要で、コード指定がある | 指定コードを最新コメントマスターで照合する |
記載が必要だが、コード指定がない | 記載要領に従って必要な内容を記録する |
「摘要欄に何を書くか」と「コメントコードは何番か」は、別の判断として扱います。
記載が必要なら、対象に合う別表を確認する
令和8年度の医科では、摘要欄の記載事項が対象別に整理されています。
別表Ⅰ〜Ⅳを使い分ける
医科では、別表Ⅰが「医科」、別表Ⅱが「薬価基準」、別表Ⅲが「検査値」、別表Ⅳが「材料価格基準」です。
診療行為なら別表Ⅰ、薬剤なら別表Ⅱ、材料なら別表Ⅳというように、確認対象を先に特定します。
なお、別表Ⅲの検査値は、通知上、厚生労働大臣が指定する病院からの電子レセプト請求に限ります。
コード指定がある項目だけコード選択へ進む
電子レセプトでは、「レセプト電算処理システム用コード」欄にコードが記載されている項目について、該当コードを選択します。
つまり、「摘要欄に記載が必要」=「必ずコメントコードがある」ではありません。
コメントコードは必要な場合だけ最新マスターで確認する
コード指定があることを確認したら、厚生労働省の診療報酬情報提供サービスでコメントマスターを照合します。
2026年9月28日時点のコメントマスターは4,591件、最終更新日は2026年9月11日です。
名称・コード・施行日で照合する
「コメントマスター検索」では、コメント名称、コメントコード、告示日、施行日を条件に検索できます。
院内に保存した一覧だけで決めず、改定や更新後は現行マスターへ戻ります。
記録方法まで迷ったら記録条件仕様を見る
記載要領で「何を記載するか」、コメントマスターで「どのコードか」を確認しても、電子レセプト上の記録方法に迷う場合があります。
そのときは、社会保険診療報酬支払基金の記録条件仕様を確認します。
記録条件仕様は最後に確認する

記録条件仕様は、電子レセプトに情報をどう記録するかを見る資料です。
記載要否 → 記載事項 → コード指定 → 記録方法の順で確認します。
レセコンでコードが見つからないときの確認
まず「今回コード入力が必要か」まで戻る
レセコンで候補が見つからない場合は、
- 今回は摘要欄への記載が必要か
- 条件付きなら、その条件に該当するか
- コード欄に指定があるか
を別表で再確認します。
必要なコードが公式マスターにあるならレセコン側を確認する
公式コメントマスターに必要コードがある場合は、レセコン側のマスター更新状況や検索方法を確認し、必要に応じてベンダーへ問い合わせます。
過去レセプトは参考に留め、現行の記載要件とコードは一次資料で確認します。
摘要欄の確認手順は5段階に固定する
- 何について確認しているかを特定する
- 摘要欄への記載が必要かを確認する
- 条件付きなら、今回その条件に該当するか確認する
- コード指定がある場合だけ、最新コメントマスターで照合する
- 記録方法まで迷った場合だけ、記録条件仕様を見る
重要なのは、コメントコードを探すことを最初の作業にしないことです。
MINORASでは、この判断順と確認先を院内のレセプトポリシーとして残す考え方を採っています。
よくある質問
Q. 摘要欄はすべての診療行為に記載が必要ですか
まず現行の記載要領で、その診療行為等に記載事項が定められているか確認します。括弧書きの記載事項は、その条件に該当する場合に記載します。
Q. 記載事項があれば、必ずコメントコードを入力しますか
コード指定の有無を別に確認します。電子レセプトでは、コード欄に指定がある項目について該当コードを選択します。
Q. コメントコードはどこで検索できますか
厚生労働省の「コメントマスター検索」で確認できます。先に、今回の請求で記載が必要か、コード指定があるかを記載要領で確認します。
Q. レセコンにコードが表示されない場合はどうしますか
まず記載要領へ戻り、今回コード入力が必要な項目かを確認します。必要なコードが公式マスターに存在する場合は、レセコン側の更新状況や検索方法を確認します。
本記事は2026年9月28日時点の告示・通知・公表資料に基づいています。
記載の内容は一般的な情報提供です。個別の医療機関における算定・記載の取扱いは、診療行為、患者の状況、請求方法等によって異なります。実際の請求にあたっては、必ず現行の記載要領、各種マスターおよび管轄の審査支払機関の取扱いをご確認ください。
執筆・運営:MINORAS株式会社 今井 稔
レセプト業務の確認手順や院内の判断ルールを整理したい場合は、MINORASへご相談ください。
在宅医療・訪問診療クリニックのレセプト業務を担当するチームです。算定、返戻・査定対応、月次点検の実務に携わりながら、院内で判断に迷いやすい場面を記事として整理しています。制度に関する記載は一次情報を確認し、医療実務責任者の確認を経て公開しています。

