
在医総管・施医総管を算定するとき、「同じマンションや施設に何人いれば、どの単一建物診療患者数になるのか」で迷っていないでしょうか。
結論からいうと、単一建物診療患者数は、建物の入居者数ではなく、その建物で自院が訪問診療を実施し、在医総管または施医総管の医学管理を行う患者数を基本に数え、例外条件を確認します。
- まず同じ建物で自院が医学管理する患者数を数える
- 同一世帯、在医総管の10%以下・20戸未満2人以下、グループホームの例外を確認する
- 2人以上の場合や例外を使う場合は、レセプトの記載事項まで確認する
本記事の情報基準日は記事公開日です。
単一建物診療患者数は「同じ建物で自院が管理する人数」
建物の全入居者数をそのまま使うわけではない
在医総管の点数表では、単一建物診療患者を、患者が居住する建物の居住者のうち、その医療機関が訪問診療を実施し、医学管理を行っている患者として扱っています。
厚生労働省「診療報酬の算定方法」C002 在宅時医学総合管理料
したがって、100戸の建物でも、区分はその月に自院が医学管理を行う対象患者数を基に決まります。まず、対象患者を建物単位で整理します。
点数区分は5段階
令和8年度の在医総管・施医総管は、単一建物診療患者数について、
- 1人
- 2人以上9人以下
- 10人以上19人以下
- 20人以上49人以下
- それ以外
という区分を設けています。
厚生労働省「診療報酬の算定方法」C002-2 施設入居時等医学総合管理料
人数を数えたあとに、該当する点数区分へ当てはめます。
例外1|同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合
厚生労働省の実施上の留意事項では、1つの患家に在医総管または施医総管の対象となる同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合、患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定するとされています。
実施上の留意事項は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定のページに掲載されている「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号)」で確認できます。
たとえば夫婦2人を同じ自宅で医学管理しているからといって、機械的に「2人以上9人以下」へ入れるのではありません。
例外2|在医総管で建物の戸数に対して患者数が少ない場合
在医総管には、建物の戸数と自院の医学管理患者数による例外があります。
現行の実施上の留意事項では、次の場合に「単一建物診療患者が1人の場合」を算定します。
- 自院が在宅医学管理を行う患者数が、建物の戸数の10%以下
- 建物の戸数が20戸未満で、自院が在宅医学管理を行う患者が2人以下
この例外は在医総管について定められています。施医総管へそのまま横展開しないよう注意します。
例外3|認知症対応型共同生活介護事業所
ユニット数が3以下の認知症対応型共同生活介護事業所では、施医総管を算定する人数について、それぞれのユニットごとの人数を単一建物診療患者数とみなす取扱いがあります。
厚生労働省の記載要領でも、この取扱いを用いた場合に選択するレセプト表示項目が用意されています。
記載要領は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定のページに掲載されている「「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について(令和8年3月27日保医発0327第2号)」で確認できます。
レセプトでは人数と例外の記載を確認する
2人以上なら単一建物診療患者数を記載する
記載要領では、在医総管・施医総管について、単一建物診療患者が2人以上の場合、その人数を記載します。
レセプト電算処理システムには、
- 単一建物診療患者数(在医総管)
- 単一建物診療患者数(施医総管)
の記録項目があります。
例外を使う場合も記載事項がある
在医総管の10%以下・20戸未満2人以下の例外や、認知症対応型共同生活介護事業所の例外についても、該当する内容を選択して記載する仕組みです。
令和8年度の記載要領改正でも、これらの記載項目が確認できます。
MINORASでは、単一建物診療患者数を確認するとき、建物→対象患者→例外→レセプト記載の順にそろえ、担当者ごとに数え方が変わらないようにすることを重視しています。
よくある質問
Q. 同じ建物に50人住んでいたら、50人以上の区分ですか
いいえ。建物の全居住者数ではなく、その建物で自院が訪問診療を実施し、医学管理を行う患者数を基本に確認します。
Q. 夫婦2人を同じ自宅で診ている場合は2人区分ですか
同居する同一世帯の患者が2人以上いる場合は、患者ごとに「単一建物診療患者が1人の場合」を算定する取扱いがあります。
Q. 10%以下の例外は施医総管にも使えますか
現行の実施上の留意事項では、建物戸数の10%以下・20戸未満2人以下の取扱いは在医総管について示されています。施医総管へそのまま適用せず、一次資料を確認します。
Q. 月ごとに人数が変わったらどうしますか
単一建物診療患者数は、その月の算定対象となる患者の状況に合わせて確認します。入退居や診療開始・終了がある月は、前月の人数をそのまま使わず再確認します。
本記事は記事公開日時点の告示・通知・記載要領に基づいています。
記載の内容は一般的な情報提供です。個別の医療機関における算定の可否は、届出の状況・患者の状態・院内の運用によって異なります。実際の請求にあたっては、必ず一次資料および管轄の審査支払機関の取扱いをご確認ください。
執筆・運営:MINORAS株式会社 今井 稔
在医総管・施医総管の単一建物診療患者数を、院内で同じ基準で確認できるよう整理したい場合は、MINORASへお問い合わせください。
在宅医療・訪問診療クリニックのレセプト業務を担当するチームです。算定、返戻・査定対応、月次点検の実務に携わりながら、院内で判断に迷いやすい場面を記事として整理しています。制度に関する記載は一次情報を確認し、医療実務責任者の確認を経て公開しています。

